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Q​ & A
​在宅ケア編

Q:抱き上げることが出来ません…

 

A:動物も人も、お互いに慣れと練習が重要です。“十人十色”とのことわざがあるように、”性格もそれぞれ異なります。この個体差も把握し、それに合わせて対応することが必要です。

診察時に、“仲良くなれるコツ”もお話ししますので、諦めずに粘り強く、“心の距離感”も縮めていきましょう。

以下は、動物種ごとの対応と対策です。​

⚫︎飼育当初のウサギ🐰:飼育当初は、大人しい個体から緊張して人を強く拒絶する個体まで千差万別です。個体ごとの反応の違いを、『新米飼い主』である皆様が識別することは至難の業でしょう。一般的には、生後半年を超えてくるあたりから態度が悪化し、非協力度が増していきます。

ウサギが非協力的になる前に、『新米飼い主』の皆様のスキルアップを図るためにも、お悩み解決&健康診断としての受診をお勧めします。

⚫︎飼育より1年以上経過したウサギ🐰:家庭内での地位が確立した状態では、素直に飼い主様の言うことを聞きませんし、聞くわけがありません。持ち上げで移動ができない、秒単位でしか保定できない、などの『嘆き節』には頻繁に遭遇します。

元々の性格に合わせて、音・臭い・気配・性別・テリトリー意識・発情などの条件が複雑に絡み合っているため、難易度にも差が生じます。

とはいえ、諦める必要はありません。一つずつ、一緒に解決していきましょう。

⚫︎モルモット・チンチラ:基本的には割と容易に出来るでしょう。稀に噛み付く場合もありますが…。ただし、ある程度のけじめは必要です。動物の“要求を丸呑み”していると、下剋上・ワガママになります。

​⚫︎ゴールデンハムスター🐹:性格によっては数ヶ月かかりますが、徐々に心を開いてくれるでしょう。噛み付く場合、当院で使用する様なグローブを併用してください。噛む力も強いため、流血沙汰には十分注意しましょう。

⚫︎ジャンガリアンハムスター🐹:ジージー鳴いて威嚇する場合は数ヶ月かかりますが、基本的には割と容易に出来るでしょう。ゴールデンハムスターでも同じですが、食餌を意図的に手渡しして、徐々に“人の手に対する恐怖感”を改善していきましょう。

​⚫︎ロブロフスキーハムスター🐹:元々、人馴れしにくいハムスターです。根気が必要です。

⚫︎デグー:性格によっては数ヶ月かかりますが、基本的には割と容易に出来るでしょう。噛み付く場合、当院で使用する様なグローブを併用してください。

⚫︎シマリス🐿️:季節によって性格が変わります。晩秋から春先までは“凶暴!”になります。噛む力も強いため、流血沙汰には十分注意しましょう。

⚫︎フェレット:子猫と同じハンドリング法である頚部保定をしても痛みはありません。技術向上のためにも、随時練習してみましょう。

⚫︎フクロモモンガ:物にしがみついていないと不安になります。爪が布の繊維に引っかかることも多いので注意しましょう。

⚫︎ハリネズミ:性格によっては数ヶ月かかりますが、基本的には割と容易に出来るでしょう。噛み付くよりも、丸まった防御姿勢をとります。ベッドの隅で布団を頭から被った様な状態のため、ほとぼりが覚めるまでしばらく放置してみましょう。

Q:爪切りが出来ません…

A:自然と伸びてくる爪は、定期的に処理する必要があります。とは言え、人に触れられることに慣れていることが大前提となります。“自分(=飼主様)で爪切りが出来ない…”ということは、在宅で治療・管理が必要になった時に、何も出来ないということに直結します。

街中のペットショップでも爪切り(もちろん有料)は出来ますが、爪切りに関わる保定が実はそれなりに難易度が高いこと、事故が起きるリスクについての説明はほぼ無いでしょう。たかだか爪切りですが、稀に腰椎骨折など死に直結する事故が発生することもあります。

なお当院では、爪切りは健康診断・通常の治療の一環として実施しております。在宅で出来るようになるかどうかは、飼主様自身の取扱技術の向上が肝心です。“百聞は一見にしかず…”ですので、診察時にスタッフまでお伝えください。

以下は、動物種ごとの問題点(または対策)です。

⚫︎ウサギ・チンチラ:色の濃い爪の場合、境目が判りにくいでしょう。多くの場合、すぐに脱走してしまい、非協力的です。

⚫︎モルモット:長く変形した巻き爪になる前に処理をしましょう。ウサギほど飛び跳ねませんが、非協力的なことの方が多いでしょう。

⚫︎ハムスター:細かいために難しいでしょう。秒単位で静止させることが出来ないと難しいでしょう。

⚫︎フェレット:頚部保定をすると、大人しくなります。

⚫︎デグー・フクロモモンガ:小さい洗濯ネットに入れると、飛び出た爪の先端はカットできます。

⚫︎ハリネズミ:足を引っ張る前に丸まってしまうため、穴の空いた板の下から切りますが、短時間では出来ません。

Q:健康診断は必要ですか?

 

A:健康診断そのものは任意ではありますが、動物たちが健康的・快適に暮らせるように努めることが皆様の義務であるとも言えます。

犬・猫では、ワクチンなど予防関係で定期的に受診することが多いでしょう。これに対し、ウサギや齧歯類では、定期予防の必要もないため、皆様の意識に依存しています。

”飼い主目線”で見た時に、必ずしも遺伝的な問題や、飼育環境の問題が、外見で判断できているとは限りません。食餌を食べているからといって、必ずしも元気で体調がバッチリであるとは限らない、と言えます。まずは状況把握が大事ですので、健診をお奨めいたします。

※Q & A 診療編にも掲載しています。

 

Q:何となく調子が悪そうなのですが…

 

A:“微妙に調子が悪そう…”と感じることもあるかと思います。具体的にどこが不調なのかわからない場合でも、①発症時期、②元気の変化、③食欲の変化、④飲水の変化、⑤排泄の変化、⑥左右差、などは分かり易いと思います。日頃の状態をある程度は把握し、早めに気づいてあげることが重要と言えます。

​重症かどうかはわからないと思いますが、待つほどに悪化する可能性もあり得ますので、早めの受診をしてあげましょう。

※Q & A 診療編にも掲載しています。

Q:出血した痕跡があります…

 

A:まずはどの辺りに最も痕跡が残っているか確認し、可能であれば写真で記録してください。慌てて洗浄しても“証拠隠滅”になりかねないので、状況把握を優先しましょう。“爪折れ”など単純な外傷であればまだ良いのですが、残念ながら血尿・子宮出血など治療の必要な病気であるケースの方が多いでしょう。

特に、メスで中高齢のウサギ・ハリネズミが複数回にわたり、体表に出血痕が無いにも関わらず由来不明の出血をしている場合、子宮出血の疑いも高くなりますので、受診しないで様子見は危険です。

 

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