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Q​ & A

​口腔の病気

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Q:歯は伸びますか?

A:ウサギ・モルモット・チンチラ・デグーは、前歯(=切歯)・奥歯(=臼歯)ともに伸び続けます。これに対し、ハムスター・リス・ジリス・プレーリードッグでは、前歯のみが伸び続けます。

正常に伸びて、伸びた分だけ削れるのであれば歯科処置は不要ですが、わずかでも歪みが生じ始めた場合、時間をかけて増幅していきます。【未病対策】は、先手必勝が基本ですので、予防的な口腔検査をお奨めしております。

なお、フェレット・ハリネズミ・フクロモモンガは齧歯類ではありませんので、歯は伸びません

Q:不正咬合では、どの様な症状がありますか?

 

A:不正咬合とは、歯の噛み合わせがズレた状態を指します。動物種に関わらず、歪みが痛みに直結するわけではありませんが、現状を把握する事が重要です。特に前歯・奥歯ともに伸びるウサギ・モルモット・チンチラ・デグーでは、遺伝的なトラブルを抱えていないかどうか、食餌により正しく研磨されているかどうか、について、飼い主様の知識・認識レベルも非常に重要です。

  • ウサギ:明らかな前歯の変形が生じていれば、早めに気づく事ができるでしょう。ただし、前歯が問題なさそう…イコール、奥歯も大丈夫、は通用しません。

  • 前歯(=切歯)の不正咬合では、食べにくさに気づくことができるかどうか…、がポイントです。①噛まれても痛くない…、②噛まれても痛くなくってきた…、③ガリガリと物を噛まなくなってきた…、④食べ残し・食べこぼしが多くなった…、などが挙げられます。より重度になると、⑤ヨダレで顎が汚れている…、⑥毛艶が悪い…、⑦痩せてきた…、なども生じるでしょう。

  • 奥歯(=臼歯)の不正咬合でも、症状自体は同様ですが、前歯を見ても、一見、問題なさそうに見える場合もあります。ですが、⑧口腔粘膜・舌が傷つき、⑨痛み・出血、まで併発する可能性が高くなります。

  • 流涙、は上顎の歯の歪みから生じます。頻度としては、眼科疾患に伴う流涙よりもはるかに多いでしょう。涙そのものは、食べにくさとは無関係ですので、”涙は出ているけど食べているから大丈夫!”は通用しません。

  • 流涙も、程度によっては、目頭(=内眼角)が真っ赤になるほどの皮膚炎(=湿性皮膚炎)を生じることがあります。結構な痛みを伴いますので、侮ってはいけません。

  • さらに進行・放置すると、骨の変形、膿瘍…と、ますます症状のレベルが重くなっていきます。

  • ​デグー:残念ながら、飼育下では頻発します。1歳未満でも普通に発症しますので、年齢に関わらず歯並びの状況を把握する事が重要です。

  • 食べこぼしが多い…、②毛艶が悪い…、③ヨダレで顎が汚れている…、④痩せてきた…、⑤ノリが悪い・引きこもり気味…、などが挙げられます。

  • ジワジワと体力を消耗してきているのですが、多くの場合、これらの症状に気づいてもらえません。皆さんが気づいた時には、中程度まで悪化しています。無駄な様子見をせず、受診をお奨めします。

  • モルモット・チンチラ:ウサギ・デグーよりは低頻度です。ヨダレを伴うことが多いでしょう

  • 一般的には、①ガリガリと物を噛まなくなってきた…、②食べ残し・食べこぼしが多くなった…、③ヨダレで顎が汚れている…、などが挙げられます。より重度になると、④毛艶が悪い…、⑤痩せてきた…、なども生じるでしょう。

  • ​デグーと同様、ジワジワと体力を消耗してきているのですが、多くの場合、これらの症状に気づいてもらえません。皆さんが気づいた時には、中程度まで悪化しています。無駄な様子見をせず、受診をお奨めします。

  • ​ハムスター:以前に比べると、前歯(=切歯)の不正咬合を発症するケースは減少してきました。可能であれば、左右対称性・色味の差をチェックしてみましょう。①噛まれても痛くない…、②噛まれても痛くなくってきた…、③ヒマワリの種を食べなくなった…、④食べ残し・食べこぼしが多くなった…、などは注意が必要です。

  • 歯のトラブルが無くても、眼・頬袋・頚部などの問題が生じることもありますので、同時に左右バランスを確認することをお奨めします。

※詳細診察時にお伝えします。

Q:不正咬合と遺伝・年齢の関係性

 

A:多くの場合、血縁関係がはっきりしないため、遺伝による不正咬合であると証明することは、中々難しいことです。

  • ウサギ:遺伝性不正咬合では1歳未満で既に強く発症、食餌性不正咬合では4歳前後で発症、とされてます。仮に血統書(=家系図)が有ったとしても、ここには不正咬合も含めた病気の情報は記載されていません。”売れる顔”を作るためには、人為的にバースコントロールを行う必要性が生じるため、近親交配も含めた無理な繁殖が行われている可能性も否定できません。

  • メディアの影響が大きい日本では、”極端に顔・耳が小さく、平たい顔”のウサギがもてはやされていますね…。程度の差はありますが、将来的に不正咬合を生じる素因を生まれた時から持っている、ということになります。

  • ​ハムスター:毎年20万頭前後が輸入(主に台湾・韓国・チェコ産)されています。当然ですが、遺伝情報は全く不明です。

  • 遺伝性不正咬合が疑われる場合、6ヶ月齢でも既に前歯(=切歯)の歪みが生じ、10日〜2週間おきの歯科処置が生じるでしょう。中高齢になってから発覚することも多いのですが、過去の経過が分からず遺伝性かどうか判断できないケースも頻発します。

  • 年齢に関わらず、歯が劣化し過ぎて歯科処置が不要…というケースも見受けられます。この場合、前歯が短くなり過ぎてしまい、硬さのあるものは食べられなくなるでしょう。

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※詳細診察時にお伝えします。

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