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Q​ & A

​子宮/乳腺/精巣
の病気

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Q:子宮疾患の場合、受診は必要ですか?

A:当然のことですが、子宮がある限り、子宮疾患に罹患する可能性があります。動物種に関わらず、中高齢であるほど、可能性が高まります。

血尿に似た子宮出血、これが量的に多くはなかったとしても、出血すること自体が病的であり、命に関わるトラブルが潜んでいる可能性が高くなります。無駄に様子見をせず、早期の受診をお勧めします。

Q:子宮疾患では、どの様な症状がありますか?

 

A:動物種に関わらず、生殖器からの不正出血を伴う事が多いでしょう。元気・食欲は変化しないことも多いため、様子見をして良いという理由にはなりません。

 

  • ウサギ:近年、ウサギの寿命は伸びましたが、これは子宮疾患による死亡率が低下したことの影響も大きいと言えます。これは、子宮疾患自体が減ったのではなく、予防的・早期に子宮切除手術をすることにより、子宮疾患を乗り越えることができた結果です。3歳を超えたメスのウサギでは徐々に子宮の悪性腫瘍発生率(子宮腺癌など)が高まりますので、“他人事”​として様子見ではなく、元気も体力もあるうちに対応してあげましょう。

  • 但し、2歳前後であっても腫瘍ではない子宮疾患(子宮内膜過形成)は、重篤な子宮出血を引き起こします。これは失血死の原因になりますので、全く油断できません。

  • ​ハムスター:ウサギほどの高確率ではありませんが、やはり子宮疾患を生じる可能性はあります。1歳2ヶ月を過ぎた頃から、定期的に床材の出血痕がないか確認しましょう。

  • モルモット:どちらかというと、卵巣疾患が生じやすい動物です。多くの場合、結果として子宮にも問題を引き起こします。2歳以上では注意が必要ですが、より若齢での発症も報告されています。ウサギよりも腫瘍化の可能性は低いのですが、ホルモン失調を発症する可能性もあり、何もしなくても良い、ということではありません。

  • ​ハリネズミ:子宮疾患の発生率は高いです。腹部を触ってわかるものでもありませんし、容易く触らせてくれる動物でもありませんので、見逃さないような対策・定期チェックが必要です。

  • ​フェレット:基本的に卵巣切除を済ませた個体のみが販売されています。

Q:乳腺疾患の場合、受診・手術は必要ですか?

 

A:乳腺のしこりは、犬では50%が悪性、猫では90%が悪性とされています。ウサギも猫とほぼ変わりありません。

 

  • ウサギ:子宮疾患よりは頻度は少ないのですが、乳腺腫瘍(乳腺癌も含む)も発症する可能性があります。特に乳腺癌などの悪性腫瘍の場合、悪化のスピードが早く、肺転移の可能性も高いため、様子見は得策ではありません。わずか2週間程度でも急激に大きくなることもあり、命に関わる問題となり得ます。

  • 発情で乳腺が“腫れているだけ…”、の場合もあります。

  • ​モルモット:他の動物種と異なり、オスで乳腺癌が発生します。血の混じった乳汁が出ること自体が異常ですので、元気・食欲に変化がなかったとしても、早めの対応をお願いします。

  • ​ハムスター:乳腺の腫瘍はそれほど多くはありませんが、皮膚のどこにでも腫瘍は生じます。痛みの有無はだけでは評価できませんので、気にして舐めている様子が見受けられなくても、放置はオススメできません。

 

Q:ウサギの子宮切除手術は必要ですか?

 

A:犬猫の場合、将来的な病気の予防・繁殖の防止のため、いわゆる“避妊手術”を実施することが一般的です。ウサギでも上記の様に子宮疾患が頻発しますので、長命を願うのであれば手術は必要になるでしょう。平成の初期に比べてもウサギの平均寿命が伸びた理由の一つに、予防的な手術を実施する割合が増えたことも関係しています。

とは言え、自宅では非協力的でまともに持てないウサギも多く、一筋縄ではいきません。麻酔のリスクや手術そのものを心配される方は多いのですが、実際には、自宅での術後管理に難あり…の方が、事が順調に進まない原因となります。当院に限らず、ウサギをしっかりと診察できる動物病院での手術をお勧めします。

中高齢のハムスター・モルモット・ハリネズミの場合も、同様に子宮・卵巣疾患は発生します。但し、​基本的には予防的な手術というよりも、発症後の手術になるでしょう。慢性化し体力が低下していると手術どころではなくなりますので、タイミングも重要です。

 

Q:オスの去勢手術は必要ですか?

 

A:去勢手術とは、精巣切除手術を指します。完璧な”バースコントロール”が出来ているのであれば、強制的に実施するものでもありません。飼育管理状況に合わせて検討してみましょう。

  • ウサギ:神奈川県のような住宅事情では、多頭飼育も少ないのが現状です。オスが一匹、家から一歩も出ない場合、当然ですが繁殖は100%起こりませんので、”バースコントロール”としての手術は不要と言えます。発情に伴う攻撃性・尿マーキング・マウンティングは飼育管理上の悩み・問題となるため、手術を実施する原因になり得ます。また、中高齢で精巣腫瘍の場合には手術が必要となります。手術後は、肥満対策・運動不足の解消が欠かせません。

  • ​ハムスター・モルモット・デグー・チンチラ・ハリネズミ:一般的には、予防的な手術としては実施しません。

  • フクロモモンガ:体臭がかなり強く、かつ攻撃性が強い場合、手術の対象となり得ます。

  • ​フェレット:メス同様、基本的には既に手術済みの個体のみが販売されています。

※対応は診察時にお伝えします。

Q:ウサギの雄がオシッコを撒き散らします…

A:発情行動の一つです。ある程度の月齢(概ね生後半年以上)になると、発情・自己主張が強くなります。元々、縄張り意識の強い動物ですので、特に雄のウサギでは領土拡大を虎視眈々と狙っています。​当然、領土内ではやりたい放題となりますので、ワガママにもなってきます。

※対策は診察時にお伝えします。

Q:ウサギの精巣と眼の関係

 

A:中高齢の犬・ヒトでは、前立腺のトラブル(前立腺肥大)が発生することについてはお聞きしたことがあるでしょう。ウサギの場合、この前立腺の代わりに瞬膜線のトラブル(瞬膜線肥大)が発生します。見かけ上は眼科疾患の範囲に含まれますが、大元はホルモン失調に由来します

※詳細は診察時にお伝えします。

 

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