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Q & A
東洋医学編
Q:東洋医学(=中医学)とは何ですか?
A:中国伝統医学から発展した、鍼灸・漢方薬・推拿(すいな:日本の按摩の起源)などによる診断と治療であり、中獣医学と呼ばれます。
検査の異常に基づいて治療を行う西洋医学(=現代医学・いわゆる獣医学)とは、別の角度・視点から身体を診ます。
東洋医学は、オーダーメイド医学・バランス医学とも言われ、個々の体質・体調・性格・生活環境などに合わせて、絶妙に変化・改善させて対応します。
物の見方・考え方が異なるため、どちらが優れている、ということでもなく、実際には、両者の“いいとこ取り”をした、中西結合医療(=統合医療)を行います。
Q:漢方薬は飲みにくくないですか?
A:確かに、独特の風味があります。お世辞にも、人にとって美味しいとは言い難いのですが、元々植物を食べている草食動物にとって、苦味は何の問題もありません。漢方薬・一般的な西洋薬かどうかにかかわらず、投薬にはテクニックが必要ですので、診察時にご説明させていただきます。
Q:何となく調子が悪そうなのですが…
A:発症前の【未病(みびょう)】』の状態かもしれませんが、残念ながら既に発症している【既病(きびょう)】の可能性が高いでしょう。
食欲・排便の状態は、割と異常を検知しやすいと思います。また、日頃より活発に動く場合や、滑車を回す動物の場合は、活動性の低下を検知する事ができるでしょう。
これに対し、変化の判りにくい排尿異常や、日頃よりインドア派のおとなしい動物の場合、症状の変化を見逃している可能性があります。
当然のことですが、時間が経つほどに不利になる病気も多く、無駄に様子見しないことをお奨めします。
Q:フレイル・未病とは?
A:介護領域では一般的な用語である【フレイル】とは、加齢とともに運動機能・認知機能が低下してきた状態を指します。これは要介護に至る直前の状態であり、東洋医学で言うところの、【未病】に相当します。
今後の生活の質に関わる重要な問題の種であるため、いかに早く気づき、対策を進められるかがポイントです。
ヒトの場合は、自覚症状の有無、検査結果により発覚するわけですが、そもそも動物では自覚症状はありません。飼い主が変化にきづけるかどうか、もしくは別件も含めて受診した際に、獣医師・病院スタッフが微細な変化に気づけるかどうか、が重要であると言えます。
ヒト・動物に関わらず、【未病対策】を心がける事が、結果として健康寿命の延長につながります。
とはいうものの、ヒトの生活習慣病対策のように一筋縄ではいかないところが難しいところでもあります。
Q:自覚症状と他覚症状とは?
A:自覚症状は、動物自身が感じ、訴えている症状です。当然のことながら、表現に乏しいため、”保護者”である皆様が、これを替りに感じ取る必要があります。
例えば、食欲不振にしても、口腔疾患によるものなのか、腹痛によるものなのか、倦怠感によるものなのか、腫瘍によるものなのか、など、推測される原因により対処法が変わります。仮に不正咬合があったとしても、必ずしもこれが原因であるとは言えないのです。
他覚症状は、獣医学的・中獣医学的に、獣医師が感じ取れる症状を指します。血液検査・X線撮影・エコー・口腔検査・眼科検査などにより異常を判別しますが、必ずしも検査で明確に判る病気ばかりではありません。
だからこそ、食餌のメニュー・与え方、環境の温湿度、人とのコミュニケーションなど、一見すると重要に見えないような情報が、大きなヒントになると言えます。